「志望理由書は、先生や親に代筆してもらっちゃダメですか?」
このような質問、
毎年のように耳にします。
なかには、
受験生は勉強が大事、
志望理由書を書いている暇があれば、
勉強して1点でも多く
試験で点を取りなさいと
指導する教師や親もいるようですが、
実際はどうなのでしょう?
志望理由書は本人が書くべきか?
学校や予備校の先生、
あるいは親に書いてもらうべきか?
その答えは、明確に「やめた方がいい」です。
なぜなら、志望理由書は単なる
「合格のための書類」ではないからです。
それを書く過程そのものが、
あなたの将来を考える貴重なプロセスであり、
未来を見つめる良い機会になるからです。
では、「志望理由書の代筆」には
具体的にどのような問題があるのか、
詳しく説明していきましょう。
ゴーストライターに頼るリスク
「先生に書いてもらってもバレませんか?」
正直に言ってしまえば、
バレる可能性はかなり高いと思っていただいて間違いありません。
面接官は何百枚、何千枚もの志望理由書を見てきたプロです。
そのため、文章の内容や面接時のやりとりから、
「自分で書いていないな」と気づかれることが多いのです。
例えば、先生に代筆してもらった志望理由書は、
文章が洗練されすぎている一方で、
あなた自身の具体的なエピソードや個性が抜けてしまいがちです。
すると、面接官は「本人が書いていない」と直感的に感じます。
志望理由書の内容が立派であればあるほど、
事前にそれを読んだ面接官は、
面接試験にくるあなたに大きな期待を抱いてしまいます。
しかし、実際の人物は……??
全然、志望理由書から想起される人物像と違う!
そうなってしまうと、
より試験管の疑念が深まってしまいます。
「ああ、ゴーストライターがいたのね」と。
さらに、鋭い質問をされた際にうまく答えられなかったり、
志望理由書の内容と矛盾することを言ってしまうと、
面接官は再び心の中でこう思うでしょう。
「ああ、やっぱりゴーストライターに頼ったのね。
この受験生は本気じゃないな」と。
そして、そう思われた瞬間、
残念ながらあなたの評価は大きく下がります。
志望理由書は「将来を考える機会」
志望理由書を書くことの最大の意義は、
あなた自身が
「なぜその大学で学びたいのか」
「なぜ医療の道を目指したいのか」
などを深く考える機会を持てることです。
実際、大学に合格した後で
「思っていたのと違った」と後悔する学生は少なくありません。
ほぼ毎年どの大学でも1人や2人出てくるとのことです。
特に医学部では、
解剖実習や臨床実習を経験した際に
「自分にはとても向いていない」と
気づいてしまうケースもあります。
こうしたミスマッチが起こる原因の一つは、
高校時代に十分なリサーチをせず、
将来について真剣に考えなかったことにあります。
志望理由書を書くことは、
ただの書類作成ではありません。
それは、
あなたが将来の職業や大学生活についてリサーチし、
自分のビジョンを明確にするためのプロセスです。
このプロセスを怠れば、
たとえ合格したとしても
大宇入学後に後悔する可能性が高くなります。
推薦入試のメリット
推薦入試やAO入試の最大の利点は、
志望理由書を通じて「後悔しない大学選び」ができることです。
このプロセスを通じて、
自分の将来像や生きる意義を見つけ出すことができます。
一度それが明確になれば、
多少の困難があっても
乗り越える力が湧いてくるでしょう。
志望理由書作成は、
自分自身と向き合う絶好の機会です。
この機会を逃してしまうと、
自らの将来について考える
大切な時期を無駄にしてしまうことになります。
一見、時間がかかり面倒に思えるかもしれませんが、
それでも自分で書くことに大きな価値があります。
志望理由書代行サービスには注意
最近では、スキルを売買するサービスサイトなどで
「志望理由書を1万円で作成します/当方学生」
「大学提出書類の執筆代行します/当方もと新聞記者」
などといった
「代行人」による「代行サービス」を見かけることがあります。
しかし、こうしたサービスに頼るのは避けましょう。
先述したとおり
他人に書いてもらった志望理由書では、
面接官の質問に対応できないリスクが高くなります。
それだけでなく、
志望理由書を書く過程で得られる
「自己理解」や「将来のビジョンの明確化」という
重要な機会を失ってしまいます。
志望理由書は、単なる「合格のためのツール」ではありません。
それを書く過程そのものが、
あなたの将来を左右する大切なプロセスです。
他人に頼るのではなく、
自分の本音に向き合い、
自分自身で書き上げましょう。
時間がかかるかもしれませんが、
そのプロセスはきっと将来のあなたを支えてくれるはずです。
そして、この過程を通して、
将来への決意がより固まり、
その後の勉強にも拍車がかかる可能性大です。
ですので、
自分の言葉で、自分の将来を描き出してください。
それが、望む人生を手に入れる第一歩なのです。