試験日程とグループ分け
東邦大学医学部の二次試験は、集合時間ごとに午前A/午前B、午後A/午後Bの4グループに分かれる。1グループの受験者数は最大80人であり、例年の合格者数から推測すると、一次試験合格者は500人前後と考えられる。
試験日の変更も可能であり、大森キャンパスの医学部入試係窓口に受験票を持参すれば振替が可能である。本人以外の代理人による手続きも認められており、変更受付は指定された日時内に行う必要がある。
試験内容
二次試験では、MMI(マルチプルミニインタビュー)とグループ討論が実施される。MMIは2013年度から導入されており、4人1組で各ステーションを回りながら課題に対応する。その後、同じメンバーでグループ討論を行う。いずれも瞬発的なコミュニケーション能力が求められる。
試験会場は施設見学会で公開されており、グループ討論の実施部屋は広めの机が配置され、隣席との距離が近いことが特徴である。
自己アピールシートの提出
一次試験合格者は、大学のホームページからダウンロードできる自己アピールシートを提出する必要がある。東邦大学医学部は一般的な個人面接を実施せず、このシートが志望動機や自己アピールを示す重要な資料となる。
自己アピールシートを作成する際は、アドミッション・ポリシーに加えて、建学の精神や教育理念を踏まえた記述が求められる。
MMIの出題例
MMIでは、各ステーションで異なる課題が出題される。以下に例を示す。
- 赤子を抱いた少女のイラストを見て、どのような会話をしているかを考察する。
- 死の可能性が高い患者への医療行為の是非について考える。
- 最も腹が立った経験と、その経験が現在にどう活かされているかを述べる。
このように即興的な思考力と論理的な説明力が試される。
グループ討論の出題例
グループ討論では、4人1組で討論を行い、結論を面接官に報告する。以下のような課題が出される。
- 「引きこもりの理由と解決策」
- 「SNS上のコミュニケーションと対面のコミュニケーションの違いを影響の大きい順に述べる」
- 「上司からもらった出産祝いが性別に合わない場合、どのように対応するか」
これらの問題は、柔軟な思考と協調性が問われる。
アドミッション・ポリシーの重要性
東邦大学医学部は、入学者に対し以下の資質を求めている。
- 基礎学力・医学的知識
- 主体的な学修態度と自己改善能力
- 他者の価値観を尊重し、良好な人間関係を築く能力
- 科学的探究心と情報の適切な解釈力
- 地域社会・国際社会への貢献意識
MMIやグループ討論では、大学の求める人物像に合致するかどうかが評価される。逆に、これに反する発言や態度(受け身な学習姿勢、自己改善意識の欠如、他者の価値観を尊重しない発言など)は避けるべきである。
最後に
東邦大学医学部の二次試験は、面接一本勝負である。合格のためには、アドミッション・ポリシーを十分に理解し、それに沿った受け答えを意識することが不可欠である。MMIやグループ討論の出題傾向を把握し、論理的かつ協調的に対応できるよう準備を進めよう。
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