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北里大学医学部入試 合格対策と勉強法

北里大学医学部の概要

私立大学(学校法人北里研究所)

偏差値:62.5(75〜80位/医学部82校中)

北里大学医学部合格最低点
北里大学 満点:500点 対象:正規合格者
2024年 点数:312点 %:62.4%
2023年 点数:273点 %:54.6% 
2022年 点数:315点 %:63.0%

北里大学 満点:500点 対象:正規および繰上合格者
2022年 点数:298点 %:59.6%

共通テスト得点率:79%
ボーダーライン:64以上

定員:119名

医師国家試験合格率
新卒 2023年 96.5%、2022年 95.9%、2021年 98.2%
全体 2023年 95.0%、2022年 95.3%、2021年 95.9%

現浪比
現役38.3%:既卒61%:高卒認定、海外の学校卒0.6%(2023年度一般選抜合格者データ)
男女比
【2023年度】男:55.2%、女:44.8%
【2022年度】男:60.8%、女:39.2%
【2021年度】男:53.8%、女:46.2%
【2020年度】男:63.6%、女:36.4%
【2019年度】男:60.5%、女:39.5%

医学部以外の設置学部:未来工学部、理学部、獣医学部、海洋生命科学部、薬学部、看護学部、医療衛生学部、健康科学部

〒252-0373
神奈川県相模原市南区北里1-15-1

アクセス
相模大野駅(小田急線)
新宿駅(小田急線急行)→相模大野駅 約40分
羽田空港-相模大野駅 空港バスで約75分~105分
羽田空港(京浜急行線)→横浜駅(相鉄線急行)→大和駅(小田急線)→相模大野駅 約80分

TEL:042-778-8111(代)

教育理念:「いのちを尊び、生命の真理を探究し、実学の精神をもって社会に貢献する」
建学の精神:開拓 「事を処してパイオニアたれ」科学の世界ではパイオニアとなり独創性に富んだアイディアを持つ。
報恩 「人に交わって恩を思え」自分を育ててくれた人と社会に感謝し社会に貢献することで、恩に報いる。
叡智と実践 「そして叡智をもって実学の人として」学んで得た知識と技術を実践の場に活かし社会に還元する。
不撓不屈 「不撓不屈の精神を貫け」そのためには、いかなる困難にも屈することなく、果敢にチャレンジする。

ADMISSION POLICY
(1)医学の習得に必要な数学・理科・英語の基礎学力に加え、論理的に思考・判断し、表現する能力を持つ学生
(2)知的探求心を持ち、自己学習と自己研鑽に努めることができる学生
(3)医学並びに医療行為を通じて社会的、国際的に貢献したいと考える学生
(4)患者・家族の立場に立って物事を考え、行動できる学生
(5)医師であることはもとより、一人の人間として相手に共感できる思いやりを持つ学生
(6)社会常識や良識に基づいたコミュニケーション能力を持ち、良好な人間関係を構築できる学生

オープンキャンパス日程:春季:3月3週目ごろ 夏季:8月1週目ごろ、4週目ごろ

北里大学医学部の入試情報

倍率(一般前期):4〜15倍前後
入試日程:2月2週目ごろ

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なりたい、を超えていく(2023年)

北里大学医学部の学費

学納金(2023年度)
初年度:9,438,000円
入学金:1,500,000円
授業料:3,000,000円
教育充実費:3,500,000円
委託徴収金:438,000円
その他:1,000,000円
6年間の総額:39,528,000円
※北里大学医学部では入学金と授業料のほかにも、北里会中央費、学部北里会費、北里大学PPA会費、同窓会費、父母会費などが必要となります。
 北里大学同窓会費と医学部同窓会費は、初年度のみの徴収となりますが、そのほかの会費は毎年必要となります。
 全ての会費を合わせると、初年度は43,8000円、2年次以降は年間38,000円が必要となります。 初年度に収める費用は、医学部同窓会費の20万円と父母会の医学部けやき会費12万円が大半を占めています。

入試科目(一次試験)
数学(150)
理科(200)
外国語(150)
合計(500)

入試科目(二次試験)
面接(-)
小論文(-)
合計(-)

合格最低点:51〜67%
面接:面接官3人、受験生2人 20〜30分程度
小論文:課題文読解型/600~800文字 90分

北里大学医学部の科目別受験対策・勉強法

北里大学医学部の試験問題の各科目ごとの傾向と対策を記します(2023年現在)。

英語

-傾向-
近年は大問数にやや変動があり(5~7題)、年度によって異なる形式の問題が出題される。
2016年度に整序問題がグラフの読み取りをしながら並び替えるという形式に変化した。
問題の難易度は私立医学部の中では解きやすい。
最も難しいのは整序問題で、例年10択を並び替える問題が出題されている。
全ての問題が難しいわけではなく、基本的な知識を使って部分的な意味のかたまりを作ることによってたやすく解くことができる問題もある。
単語は標準の受験英単語よりもやや難易度が高いものまで出題される。
長文は、医療系の英文が多い。

-対策-
句・節ごとに意味をとらえ、英文を訳読みするスラッシュ・リーディングでトレーニングしよう。
背景知識を活かし、問題集を利用して練習。
標準的な文法・語句整序問題に対応するため、インプット系の問題集を活用しよう。
医療系の単語集は不要で、受験用単語帳で語彙力を高める。

数学

-傾向-
大問3題。
試験時間80分。
入試標準~上級レベルの問題集に収録されているような典型問題を中心とした出題。
一部、解法パターンの丸暗記が通用しないような工夫が施された、やや難易度の高い問題も含まれている。

-対策-
定義・定理・公式などの基本的な概念を徹底的に理解。特に、定理や公式の証明も重点的に取り組むようにしよう。
解答を理解した後、本を閉じて自力で答えを導き出すトレーニングをしよう。
出題傾向を理解するために、最低3~4年分は過去問に取り組もう。
記述式問題に対しては、答えだけでなく解き方のプロセスを練習し、指導者に添削してもらおう。
特別な対策は不要だが、問題の解答プロセスを簡潔に記述する習慣はつけておこう。

物理

-傾向-
大問3題。
2科目で100分。
マークシート方式。
解答を選択肢から選ぶ形式と計算した数値を答える形式が混在している。
選択肢から解答を選ぶ問題に関して、大量(多いときには15個以上)の似たような選択肢が与えられている。
第1問の小問集合は「力学が2題、電磁気学が2題、波動が1題」あるいは「力学が2題、電磁気学、波動、熱力学が各1題」の構成となっており、「力学が2題、電磁気学が2題、波動が1題」の場合は、第2問が力学、第3問が熱力学「力学が2題、電磁気学、波動、熱力学が各1題」の場合は、第2問が力学、第3問が電磁気学となっていることが多い。
原子分野は出題されない(募集要項に明記あり)。
難易度が入試の標準レベルで、オーソドックスな問題がほとんど。

-対策-
学校の副教材を使って公式の使い方を習得するようにしよう。
典型問題の解法が迅速に出てくるまで、繰り返し問題を解くようにしよう。
解けない問題や時間がかかった問題は解説を読むだけでなく、一度時間をおいて再挑戦し理解を深める。
一つの問題集だけでなく同じレベルの問題集も解き、典型パターンを熟知する。
過去問に取り組み、同様の問題が繰り返し出題される傾向を把握しよう。
数値計算の問題にも焦点を当て、本学の過去問や関連書籍でトレーニングしよう。
動画視聴サービスを利用し、視覚的なイメージを得る。特に、数値計算の部分で役立つ。

化学

-傾向-
大問5題。
マークシート方式。
大問1は毎年小問数8題程度の小問集合で、残りが大問で構成されている。
小問数は全部で25題程度。
大問は、理論2題・無機1題・有機1題という構成が多い。
無機の問題も理論と融合されている問題が多く、全体としては理論重視の傾向。
小問集合で毎年正誤問題が出題されているが、選択肢を2つ選べという問題がよく出題されている。

-対策-
マーク試験であっても解答が多いため、何度も繰り返し標準問題を解くことが重要。
教科書や傍用問題集を使って基礎知識を確実に身につけ、解けない問題がないように注意。
間違えた問題は解説を読むだけでなく、再度解くことで理解を深める。
理論分野では特に酸塩基、気体、酸化還元、反応速度、化学平衡に焦点を当て、計算問題に慣れる。
無機分野ではイオンの分離、工業的製法、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、気体の発生に重点を置いて学習しよう。
有機分野では構造決定、芳香族化合物、構造異性体、糖類、タンパク質、核酸、油脂、合成高分子を重点的に学習しよう。
単元ごとに学習終了後、全範囲の総合演習を行い、弱点を見つけて予防する。
共通試験問題や各社の共通試験問題集を解き、間違えた問題は時間をおいて再挑戦してみよう。

生物

-傾向-
マークシート方式。
大問Ⅰ~Ⅲ題の構成となっている。
毎年、大問1つに対し小問が平均15~20題程度で構成されている。
難易度は標準的。
考察問題からの出題が多い傾向。
リード文が長いことが多い。
遺伝が計算問題になることは少なく、数年に一度しか出題されていない。
計算問題のみが大問で扱われることはなく、各大問に小問として数問登場する形式。

-対策-
勉強の順番は知識→図表→実験考察が望ましい。
教科書や傍用問題集で大枠を捉え、マニアックな知識は余裕ができた段階で対応。
資料集や推奨テキストの問題集で有名図表を理解し、掘り下げて他人に説明できるまで理解を深める。
本学の特徴である未知の実験にも対応できるよう、有名実験を整理し、推奨テキストの問題集で読解力や考察力を養おう。
単元別学習を一巡した後、過去問を週に1回以上解き、忘れを防ぎ、弱点を確認しよう。
レベルに合った問題を選び、弱点が明らかなら復習と新たな問題に取り組むようにしよう。

小論文

-傾向-
課題文型での出題で設問は3問。
課題文の文字数は1200字~2000字と幅がある。
テーマは医療に関するものが多いが、生命科学やコミュニケーション論などの周辺分野からも出題される。2023年度入試もこの流れの中にあり、医療者が日常で出会う事柄について考えさせるものであった。医師として身につけておくべきプロフェッショナリズムをしっかりと意識して課題に取り組むことが求められる出題が続いていると考えられる。出題形式については、小問3問の形式であることに変わりはないが、タイトルづけ、部分説明、論述のほかに記述・論述による空欄補充が設定された日程もあった。

-対策-
速く正確に文章を読む力を養成することが必要である。
また、設問文の条件をしっかりと押さえることも重要である。
問1・問2については、現代文の読解問題を用いて要旨を捉える練習を行うとともに、本文の一部の内容に対する自分の意見を短くまとめる練習もしておくとよい。
問3が論述になっているが、設問文に明確な指定があるので、この点を決して外さないようにしたい。特に本文を踏まえての論述を求めることが多いので、課題文とテーマをそろえる必要があることに注意したい。そのうえで、しっかりとした構成メモの作成を行い、序論・本論・結論という流れを意識して構成を組み立ててから文章を書く練習を積み重ねておきたい。

2023年1日目(試験時間90分)
アンデシュ・ハンセン 著・久山葉子 訳「スマホ脳」
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:傍線部①「写真を撮っていない作品はよく覚えていたが、写真を撮った作品はそれほど記憶に残っていなかった」ことの理由を100字以内で述べる。
問3:多くの医学知識がネットから得られる中で、医師を志す学生はどのように知識を身につけていくべきであると考えられるか、本文の内容を踏まえ、具体的な例も入れて自分の考えを800字以内で述べる。

2023年2日目(試験時間90分)
次の文章を読んで、問いに答えなさい。(マイケル・サンデル『完全な人間を目指さなくてもよい理由』ナカニシヤ出版)
問1:傍線部①について、被贈与性の倫理に反する親の態度を簡潔に説明するように空欄に20字以内で言葉を入れなさい。
   親が子供を[  ]
問2:傍線部②について、筆者が問題視している、人間の性向とは何のことか。100字以内で説明しなさい。
問3:傍線部③について、これからはどのようにあるべきか、自分の考えを800字以内で述べなさい。

2023年3日目(試験時間90分)
次の文章を読んで、問いに答えなさい。(里見清一著『医師と患者のコミュニケーション論』新潮社)
問1:この文章に適当なタイトルを20字以内でつけなさい。
問2:著者が医療のツークツヴァンクにおいて重要と考えることを200字以内で説明しなさい。
問3:患者が医療のツークツヴァンクに陥ったときに、あなただったらどのように対応するか、600字以内で述べなさい。

2022年度1日目(試験時間90分)
本庶佑「ゲノムが語る生命像」
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:本文中の傍線部を参考にして、医療を行う際に留意すべきことを200字以内で説明する。
問3:本文全体を参考にして「医療における安全と安心」について、自分の考えを800字以内で述べる。

2022年度2日目(試験時間90分)
永田和宏「知の体力」
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:言葉によるコミュニケーションにはどのような限界があり、どのようなことが必要とされるかについて、本文に則して200字以内で説明する。
問3:本文全体を参考にして、医師のような職業において人とのコミュニケーションではどのようなことを大事にするべきかについて、自分の考えを800字以内で述べる。

2022年度3日目(試験時間90分)
香川知晶「命は誰のものか 増補改訂版」
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:傍線部の理由を本文の言葉を用いて80字以内で説明する。
問3:本文全体を参考にして、COVID‐19とトリアージについて、自分の考えを800字以内で述べる。

2021年度1日目(試験時間90分)
五木寛之「大河の一滴」
問1:10字以内でタイトルをつける。
問2:本文中の傍線部を参考にして、人を励ますときと慰めるときの相手との対峙の仕方の違いを説明し、なぜ慰めが人の心を救うのかについて200字以内で説明する。
問3:本文の内容を踏まえ、医療現場において患者に対する「励まし」と「慰め」はどのように使い分けられるべきであると思うか、自分の考えを800字以内で述べる。

2021年度2日目(試験時間90分)
長谷川和夫・猪熊律子「ボクはやっと認知症のことがわかった」
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:患者が認知症になってわかったことを80字以内でまとめる。
問3:認知機能の低下した患者に対する医療において、あなたが重要と考えること、医師としてどう対応すべきかを800字以内で述べる。

2021年度3日目(試験時間90分)
外山滋比古「思考の整理学」
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:本文中の「グライダー訓練」とその「弊害」について200字以内で説明する。
問3:本文中の「飛行機能力」を身につけるために在学中に行いたい学問や活動を挙げ、なぜそれを行いたいのかについての自分の考えを800字以内で述べる。

2020年
「障害」の意味する3語の分類「損傷」「能力不全」「不利」
問1:読解説明 200字 
問2:用語の説明 20字
問3:自分の考え 800字

2019年 
「医と障害-治癒されぬ者の視点」についての文章を読み各問いに答える。
問1:タイトル
問2:筆者の考え 200字
問3:自分の考え 800字

2018年 1日目
渡部昇一『知的人生のための考え方』
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:本文から読み取れる著者のメッセージを、200字以内で要約する。
問3:学問に対する態度・心構えとして、自分が重要と考えることをその理由の具体例を示しながら800字以内で述べる。
2018年度 2日目
里見清一『医者と患者のコミュニケーション論』
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:著者が医療のツークツヴァンク(チェスの用語で「どういう手を指しても局面は悪化するが、それでも自ら手を指さざるを得ない状況」を指す言葉)において重要だと考えていることを、200字以内で説明する。
問3:患者が医療のツークツヴァンクに陥ったとき、自分が採る対応を600字以内で述べる。

2017年 1日目
大杉義征『新薬アクテムラの誕生』
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:傍線部について嬉しくなった理由を、400字以内で述べる。
問3:文章で述べられていることを、自分の人生でどのように生かしてゆけばよいと考えるか、実際の体験を挙げて800字以内で述べる。

2017年 2日目
桐野高明『医療の選択』
問1:30字以内でタイトルをつける。
問2:筆者が考える「医療の限界」とはどういうものか、200字以内で述べる。
問3:超高齢社会を迎えた日本の今後の介護の在り方について、自分の考えを800字以内で述べる。

2016年度 1日目
吉岡俊正『医療人を育てる』(矢崎義雄編『医の未来』所収)
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:筆者が医療を行ううえで「チーム」を必要とする理由を、300字以内で述べる。
問3:医療教育の目標として考えられることを、「コミュニケーション力」・「説明力」の2語を使って具体例とともに600字以内で述べる。

2016年度 2日目
比企寿美子『がんを病む人、癒す人』
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:筆者が懸念している医師養成教育の問題点について、200字以内で述べる。
問3:本文の主旨をふまえて、自分が「医」を志した理由を600字以内で述べる。

2015年度 1日目
桐野高明『医療の選択』
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:保険制度を基盤とする国は北欧諸国やイギリスの医療制度に近いと考えられる理由を200字以内で述べる。
問3:2つの未来像を考慮した上で、今後日本が目指すべき医療制度について、自分の考えを600字以内で述べる。
2015年度 2日目
稲森和夫・梅原猛共『近代文明はなぜ限界なのか』
問1:20字以内でタイトルをつける。
問2:本文中で著者が懸念している近代日本人の問題点について、200字以内で述べる。
問3:本文の趣旨を踏まえ、自分が考える理想的な日本人の未来像について、600字以内で述べる。

2014年度 1日目
加藤周一『二〇世紀の自画像』
問1:20字以内で題名をつける。
問2:文中から抜粋した著者の主張について自身の身近な具体例も交えて考えをまとめ、200字以内で述べる。
問3:近未来における『医療の目指すもの』についてキーワードを用いて、800字以内で述べる。
2014年度 2日目
曽野綾子『生きる姿勢』
問1:20字以内で題名をつける。
問2:「与える」と「得る」の関係性について、400字以内で述べる。
問3:医師を一生の仕事にするには、どのような人間にであるか、600字以内で述べる。

2005年度(試験時間90分)
問1:著者の述べている『コドモ』とは何か、200字以内で記述しなさい。
問2:あなた自身が持っている『コドモ』の部分について、600字以内で記述しなさい。

人は終生、その精神の中にコドモを持ちつづけている。ただし、よほど大事に育てないと、年配になって消えてしまう。
嘉兵衛は、宅越した操船技術を持っていた。それだけでなく、気象や潮流にも習熟し、そのおかげでかれの商船隊も事故を起こすことがなかった。この部分は、かれにおけるオトナの部分の機能である。経験を積むことと、また経験から法則をみちびきだすのは、コドモの部分の機能ではない。
が、激潮がうずまく水道(クナシリ島とエトロフ島のあいだ)を航海できる特別の航法をかれが着想したのは、そのゆたかなコドモの部分だった。想像力と創造力は、オトナの部分の働きではない。嘉兵衛の偉大さは、十二歳で世間に出ながらコドモをみずみずしく保ちつづけたことである。
数学がいい例らしい。天才的な学者は、たれでも二十代で偉大な創造をし、以後、とまってしまうといわれている。数学にかぎらず、学問においてなみはずれた仮説を立てるの能力も、その人のコドモの部分である。
小学生を見ればいい。かれらは空や雲を見るだけで、宇宙や神の国を感じてしまう。どういう小学生でも、その瞬間、きらめくような宇宙科学者になり、詩人になるのである。

2001年度(試験時間90分)
高校2年生のA君は次のように言っています。A君の疑問に対するあなたの意見を800文字以下で記述しなさい。
「僕には数学が面白いとは思えない。難しい方程式や微分、積分などを積極的に勉強しようなどと言う気は全くおきない。こんなことを勉強して将来何かの役に立つのだろうか?両親や周囲の人を見たいても、そんなこととは一切関わりのない生活をしている。将来、建築だとか機械の設計にあたる専門家を志望する人にはそれは不可欠な知識なのかもしれない。しかし僕は元々そんな方面を志願してはいない。そんな好きなことをやっている暇があったら、好きなギターを弾いているときの方がよっぽど充実している。なんの役にも立たず、今日も湧かない数学をなぜ強制されてまで勉強しなければならないのだろうか?」

面接

面接内容(質問内容・面接の進行など)
◆自己PR(1分程度)
◆医師志望理由。志望する科。本学志望理由。本学の魅力(挙げられるだけ)
◆興味のある時事問題、ニュースで2~3つ。
◆浪人生活で学んだことや嬉しかったこと。
◆大学に入って何をしたいか。
◆高校生活について。
◆大学で勉強以外に何がしたいか。
◆どのような医師になりたいか。
◆合格したら入学までの期間に何をしたいか。
◆医師の仕事と子育ての両立の為に何が出来るか。
◆もし医師の給料がサラリーマン並であっても医師を志すか。
◆医師に向いていると思う点。
◆医師として働きたい場所、診療科。
◆診療科の志望理由。
◆(女子受験生に対して)理想の女性医師像について、女性が医師である利点。
◆卒業したら地元に帰るか。
◆海外で働いてみたいと思うか。
◆臨床医と研究医のどちらになりたいか。
◆チーム医療の実践に必要な事を3つあげよ。
◆最近怒ったこと、泣いたこと。
◆医師に必要な資質とは何だと思うか。
◆(上記返答後)自分に医師の素質はあると思うか。
◆併願校とその入試結果について。
◆医師の倫理観とは何か。
◆人を救いたいのであれば医師でなくてもできるのではないか。
◆北里柴三郎について知っていることを出来るだけ。
◆本学があなたを必要だと思える自己PR。
◆これから地域医療に関わる意気込みをどうぞ。
◆一次試験の感想。
◆今までで一番大変だったこと。
◆医師になった時に一番大変そうだと思うこと。
◆完全に治る見込みのない患者をどう説得するか。
◆誇りに思ってる経験。
◆部活動について、部活動で学んだこと、最も嬉しかったこと。
◆高校時代に熱心に取り組んだこと。
◆尊敬する人(親、歴史上の人物等も可)。
◆ボランティア活動について。
◆友人関係について。
◆好きなアーティストとそのPRを1分程度で。
◆自己評価(長所・短所など)医師になってから長所をどう活かしていくか。
◆客観的に見て自分が医師に向いていないところ。
◆女子に対し、結婚出産後仕事を続けるか。
◆色に例えると自分は何色か。
◆自分の勉強法について。
◆得意科目・不得意科目、不得意な科目はどのように取り組んできたか。
◆趣味やリフレッシュ方法について。
◆休日の過ごし方。
◆あなたにとって親友とはどういう人か。
◆最近読んだ本で最も印象深かったの、その理由。
◆今まで読んだ本で感銘を受けたもの。
◆少子化について。
◆医療分野におけるAIの意義、AI技術が進む中で、医師に求められること、医学生に求められる教育について。
◆苦手なタイプの人格を持つ患者にどう対応するか。
◆チーム医療で医師に求められるもの。
◆医師の偏在はどのように解消できるか。
◆産科医などが不足しているが、これはなぜか、どのように解決すればよいか。
◆最近の医療制度にはどのような問題があるか、どのように解決すればよいか。
◆働き方改革について、医師の労働時間を減らすにはどうしたらよいか。
◆高齢化が進む日本の医療はどうあるべきか。
◆新型コロナウイルスについて、感染拡大を抑えるには。
◆コロナ禍で学んだこと、コロナ禍の学習で気をつけたこと。
◆ワクチンを打つか。
◆世の中の出来事の情報源は。
◆医師不足の原因と対策。
◆医師に必要な能力を3つあげよ。
◆自殺する子供が増えたが、その対策。
◆環境問題⇒地球温暖化⇒自分ができること。
◆小論文の出来はどうだったか。

課題文を読み、意見を述べ討論を行う(例:国民医療費の増加について・過労死について・少子高齢化について)

雰囲気・後輩へのアドバイスなど

◆2020年度より個人面接を実施(2019年まではグループ面接 受験生2名)。
◆入学志願者調査票や面接票から質問されることもあるので、記入した内容をしっかりと覚えておくこと。

医学部の小論文の分類

①課題文型
課題文をもとにした内容要約問題や内容に関連した意見論述が求められる出題形式。国公立大・私立大を問わず頻出の課題文型では、第一に「課題文の論旨をつかんで抽出する力」が求められる。
たとえば、著者に賛成もしくは反対の意見論述が求められる場合、著者が述べている主張を正確につかんだうえで、その論理構造のどこを補強すれば著者に共感を示すことになるのか、どこをつけば反論が可能か、という点を見抜く力が問われる。この力は患者さんとのコミュニケーション能力にも大きく関係すると考えられる。

②テーマ型
語句や短文で提示したテーマについて、自由に論述を求める出題形式。
私立大学医学部入試に多くみられる。
時事問題がしばしば出題されることから、大学側は情報収集力と知識欲の有無を測っていると考える。
たとえば、「2022年までに12%}という喫煙率の削減目標が政府により設定された。こうした社会の動きをとらえて「医療人を目指す者としてどう考えるか」といったようなことが問われる。
医師は、あらゆる手段で情報を収集し、患者のために最大限できることを探らなければならない。
そのようなアンテナの敏感な人なのかどうか、医療や社会問題に興味があるかどうか、といった点を測定する出題形式。

③資料分析型
グラフや表などの資料をもとにデータの読み取りを求める出題形式。
資料分析型で必要なのはデータ解析能力データ解析能力である。数値とデータから何が読み取れるかを短く明確に述べなければならない。
このデータ解析能力の背後にあるものとしては「推理能力」と「まとめる力」。推理能力とは、患者が訴える症状から患者の心身がどのような状態にあるのかを推し量る力につながる。あるベテラン医師によると、心電図が読み取れない若手医師も多い。医師になれば、医療統計のデータを扱う必要も出てくる。グラフの解析やデータの読み取りは、実際の医師の仕事においても非常に重要な要素。

学校推薦型選抜(地域枠)、一般選抜(相模原市修学資金枠)
医師不足が深刻な地域や診療科に対し、不足する地域等の医療機関に勤務する医師を確保するために実施される募集枠。
それぞれ修学資金として、相模原市は6年総額3,890万円、山梨県は月額13万円、茨城県は月額25万円(予定)、神奈川県は月額10万円。埼玉県は月額20万円、新潟県は6年総額3,660万円が貸与される。これらの修学資金は卒業後、それぞれの自治体が指定する医療機関・診療科で一定期間医師として従事することにより返済が免除される。
募集・条件 35名(指定校制)指定された高校に詳細通知 現役のみ 内申4.0以上 合格時入学確約
選考方法:適性検査(90分)、小論文、小集団面接(2回)
受験者数合格状況 2021年度 定員:35名 受験者数:74名 合格者数:35名 競争率:2.1
         2022年度 定員:35名 受験者数:57名 合格者数:35名 競争率:1.6
         2023年度 定員:35名 受験者数:64名 合格者数:35名 競争率:1.8
過去小論文適性試験等 <小論文>(90分200字、600字)~「自己鑑賞」・筆者の考える自己鑑賞(自分を振り返る)を200字で説明。
                 ・今まで生きてきた中で自己鑑賞が必要と思った時とその理由を600字で説明。

北里大学医学部の倍率

2020年度 1.5倍
2021年度 1.5倍
2022年度 1.0倍
2023年度 1.5倍

*第2次試験は3日間設けられた試験日を出願時に選択

2024年 北里大学医学部 合格上位高校

巣鴨(東京)5人
豊島岡女子学園(東京)4人
江戸川学園取手(茨城)3人
東邦大付東邦(千葉)3人
芝(東京)3人
白百合学園(東京)3人
慶應義塾(神奈川)3人
桐蔭学園中教(神奈川)3人
芝浦工大柏(千葉)2人
筑波大付(東京)2人
学芸大付(東京)2人
日比谷(東京)2人
鷗友学園女子(東京)2人
海城(東京)2人
開成(東京)2人
暁星(東京)2人
雙葉(東京)2人
武蔵(東京)2人
神奈川総合(神奈川)2人
神奈川大付(神奈川)2人
桐蔭学園(神奈川)2人

2023年 北里大学医学部 合格上位高校

江戸川学園取手(茨城)4人
栄東(埼玉)4人
横浜雙葉(神奈川)4人
暁星(東京)3人
桐朋(東京)3人
フェリス女学院(神奈川)3人
東海(愛知)3人
東邦大付東邦(千葉)2人
青山(東京)2人
国立(東京)2人
立川国際中教(東京)2人
麻布(東京)2人
穎明館(東京)2人
桜蔭(東京)2人
海城(東京)2人
吉祥女子(東京)2人
白百合学園(東京)2人
世田谷学園(東京)2人
高輪(東京)2人
帝京大学(東京)2人
広尾学園(東京)2人
雙葉(東京)2人
立教女学院(東京)2人
湘南白百合学園(神奈川)2人
聖光学院(神奈川)2人
洗足学園(神奈川)2人
桐蔭学園(神奈川)2人

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