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面接でLGBTQについての質問をされたら?

近年、一部の医学部では(たとえば獨協医科大学など)、面接で「LGBTQに対してどう思うか?」と質問されたという生徒もいます。

多くの受験生は、漠然とした知識があっても、いきなり質問されて、自分自身の考えを面接官の前でしっかりと話す自信はないのではないでしょうか。

そこで、今回はこのような質問がきた場合の考え方と模範的な回答を書いていきたいと思います。

まずは知識とポイントを押さえよう

医学部の面接で「LGBTQに対してどう思うか?」と質問された場合、適切に回答するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

最近の医学部は対外的には(ホームページやパンフレットなどで)、「多様性の尊重」や「拓かれた国際性」を標榜しているところがほとんどです。しかし、その一方で、実際の現場では伝統的かつ封建的な風土が残っている側面のある大学(医学部)も少なくありません。

そのため、「極端な主張」や「個人的な事情(実は僕はゲイです)」を過度に強調することなく、バランスの取れた回答を心がけなければ、一気に心象を悪くしてしまう可能性もあるということは念頭にいれておきましょう。

面接における適切なスタンス

アドミッションポリシーでは、多様性を尊重し、包括的な医療を提供できる人材を求めていることが多くの大学で謳われています。

そのため、LGBTQに対する基本的な理解と、医療現場での対応についての知識を自分は持っているのだということを、まずは明確に相手に示す必要があります。

⇒もちろん知識はあります
⇒もちろん共感をしています

とはいえ、極端な政治的・社会的主張や個人的な体験の詳細を語ることは、面接の場には適切でない可能性があるため、そのあたりの温度感には注意を払いましょう。

熱弁は振るわず、クールに、淡々と。
それくらいがちょうど良いのではないかと。

LGBTQに関する基本的な知識

LGBTQとは、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)、Queer/Questioning(クィア/クエスチョニング)の頭文字を取った言葉であり、多様な性的指向や性自認を持つ人々を指します。
性のあり方は人それぞれであり、誰もが自分らしく生きられる社会が求められています。

これくらいの基本知識は持っておいた方が良いでしょうね。

医療現場とLGBTQ

医療現場においてのLGBTQの患者さんは、以下のような健康上の課題を抱えていることが多いと言われています。

・精神的なストレスやメンタルヘルスの問題

・医療機関での偏見や差別による受診の遅れ

・ホルモン療法や性別適合手術などの専門的な医療ニーズ

これらの問題に適切に対応するためには、「医師自身がLGBTQに関する知識を持ち、偏見を持たずに患者と向き合う姿勢が求められると考えます」と総括できれば宜しいと思います。

回答のポイント

これを踏まえた上で、面接では、以下のような要素を含めることで、
適切かつバランスの取れた回答をすることができるでしょう。

・基本的な知識を示そう!
⇒LGBTQの定義や、多様な性のあり方について簡潔に説明する。

・医療の観点を強調しよう!
⇒LGBTQ患者が抱える健康上の課題について触れ、適切な医療を提供する必要性を述べましょう。

・倫理的な立場を明確にする
⇒医師として、全ての患者に対して公平で質の高い医療を提供することの重要性を強調しましょう。

・具体的な行動を示す
⇒大学入学後もLGBTQに関する知識を深める努力を続ける意思を示しましょう。

回答例

では、具体的にはどう回答すれば良いのかを書いてみます。
もちろん、あくまで一例です。
こんなに長く話す必要はなく、この半分でも話すことが出来れば、ライバルよりも大きな差をつけることができるでしょう。

「LGBTQとは、Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender, Queer/Questioningの頭文字を取った言葉であり、多様な性的指向や性自認を持つ人々を指します。近年、医療現場ではLGBTQの患者が抱える特有の健康上の課題が注目されており、精神的なストレスや医療機関への不信感などが問題となっています。

私は、医師として全ての患者さんに対して公平で質の高い医療を提供することが重要だと考えています。そのためには、LGBTQに関する知識を深めるだけでなく、患者さん一人ひとりの背景やニーズを理解する姿勢が欠かせません。

具体的には、LGBTQに関する書籍や論文を読み、知識を深めたり、機会があればLGBTQに関するセミナーやイベントにも参加し、当事者の方々の声に耳を傾けようという姿勢が大事だと考えています。実際に悩みを抱える方々と接することで、教科書や動画だけでは得られないリアルな課題やニーズを発見できるのではないかと思います。

大学入学後は、私もLGBTQに関する知識を深め、様々な経験を通して理解を深めることで、すべての患者に適切な医療を提供できるようになりたいと考えています。」

注意すべきポイント

もちろん上記解答例は、「優等生・優等生しすぎ」な内容なので、これを叩き台にアレンジをしていただければと思います。

そのことを前提で、回答する際に注意すべきポイントとしては、過度な思い入れや熱さを抑えて「簡潔かつ的確に答える」ことが大前提です。

そして、個人的な体験や主義主張を過度に強調しないことも大事です。
例えば、わざと極端に書きますが、
「僕はゲイなんです!」と面接会場でカミングアウトをしたり、
「私は体は男子ですが、心は女子なので、貴学の女子トイレに入ってもいいですよね?」とか、
「支援団体に所属していて、ゴリゴリに活動していて保守的な差別主義者を論破しまくってます!」とか、
「私は性的マイノリティだったので、学校ではいじめられて引きこもりになってリストカットもしたことがあるので、弱者を助けたい!」とか、
「すでにパートナーと同居していますが、最近は別れようかと思っているので、大学に入ったらパートナー探しを頑張りたいです」などと言ったことです。

まあ極端なので、そんなことを言う人はいないとは思いますが、
わかりやすいように敢えて漫画チックに書いてみました。

そして、「社会が悪いのだ」「変革が必要なのだ」など、
過激な発言をしたり、
アジる(アジテーションする)と、
もはや何のために医学部の面接に来たの?と
面接官に言われても仕方がありませにょね。

また、これも分かっているとは思いますが、
差別的な発言や、
面接官を不快にさせるような表現は絶対にしないでくださいね。

以上、色々と書いてみましたが、
LGBTQに関しての基本的な知識を示しつつ、
医療の観点から適切な対応を考えていることを伝えるのがポイントです。

先方もそれを求めているはずですから。

ですので、医学部の面接では、
社会的な主張よりも、
医師としてどのように患者と向き合うかを、
冷静かつ論理的な回答を心がけるようにしましょう。

(このような質問をもしされたら)健闘を祈ります!

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