受付時間13:00-21:00

東京都新宿区西新宿3丁目1-5 新宿嘉泉ビル7F

面接官が見ているのは「あなた自身」

今回は、医学部入試において
ほぼすべての大学で課される
「面接試験」についてお話しします。

面接対策をしている受験生の中には、
学校や塾・予備校の先生の協力のもと、
あるいは、面接の本などを参考にして
「想定問答集」を作成して
その答えを暗記するという人もいることでしょう。

何事も抜かりなく準備をするというその姿勢は、
決して悪いことではありません。

いやむしろ、何の準備もせずに
行き当たりばったりで本番に臨むよりは
はるかに素晴らしいことだと思います。

しかし、この「準備」が必ずしも
良い評価につながるとは限らないということを
まずは認識しておきましょう。

実際、暗記した答えを
そのまま述べることは、
面接官にとっては
「作られた答え」
と見られることが多いのです。

もちろん、喋り方の問題もあると思います。

自然に話ることができれば、
高評価につながることもあります。

逆に、あまりにも完成された日本語を
棒読み的に話すと、
面接官の方は、
せっかく準備してくれているのは嬉しいけど、
そのロボットのような話し方は
何とかならないものかと思ってしまうかもしれません。

だからと言って、
抑揚を大袈裟につけすぎた
あまりにも演技じみた喋り方をしても、
「演劇のオーディションじゃないんだから」
と苦笑されることでしょう。

けっこう難しいのです。
話し方って。

ましてや初対面の年長者たち相手に、
緊張を抑えながら
話すのですから、
普段からあまり人とコミュニケーションを
積極的にとっていない受験生にとっての
面接の時間は、
さながら針の筵に立たされるような気分でしょう。

そうならないためにも、
少しでも安心材料を用意しておきたい。

だから、想定問答集を作っておけば
本番は緊張しないのではないか?

そう考える受験生の心理はよくわかります。

想定問答の丸暗記は逆効果

つまり、想定問答集を作り、
それを暗記する受験生の多くは、
あがり症や心配症の人に多い傾向だとも言えるでしょう。

あがらないための工夫をしようという姿勢は
悪いことではありません。

しかし、面接官は
「準備された答え」を見抜くプロであるということも
忘れてはいけません。

面接官がその場で予想外の質問を投げかけた際、
暗記した答えに頼っている受験生ほど
混乱しがちです。

また、事前に暗記しておいたことは
スラスラと話せるのに、
想定外の質問をされた途端
シドロモドロになってしまうと、
そのギャップから
「さっきの返答は準備して練習してきたやつだね」と
面接官は見抜いてしまいます。

できれば、そのようなテンションのギャップは
避けたいものですね。

しかしご安心ください。

医学部受験の面接では、
完璧な答えを求められているわけではないのです。

むしろ、自分の意見を正直に伝え、
知らないことに対しては
素直に「勉強不足でした」と認める姿勢が大切です。

特に「申し訳ありません、その点について考えたことがありませんでした」といった
謙虚なな態度を示すと、
面接官に好印象を与えられることが多いです。

面接官が見ているポイント

医学部の面接官が評価するのは、
あなたの人間性そのものです。

医療従事者としての適性を測るために、
以下のような点が重視されます。

まずは、何といっても人柄とコミュニケーション能力でしょうね。

医師は幼児から高齢者まで
幅広い患者と接します。

そのため、相手に安心感を与え、
信頼関係を築ける人柄が求められます。

入学後の大学生活や実習、
将来の職場で仲間と良好な関係を築けるかどうかを
面接で人柄を見れば、
ある程度推測可能なのです。

次に勉強への意欲と向上心も見られるでしょう。

医学部での6年間の勉強は厳しいものです。
専門的な勉強が多いため、
学習面においては、
ある意味、大学受験よりハードかもしれません。

学生生活の中で
国家試験に合格するための
努力を続けられる向上心や
学ぶ意欲があるかどうかを見られます。

さらに、医学部の勉強は長期間にわたります。

その間、志を曲げずに努力を続けられるか、
途中で挫折しない強い意志があるかも
面接においての受け応えからだけでも
垣間見えるものです。

面接での具体的な対応方法

大学によっては、
面接官は受験生の意見に対して
専門的な学説をぶつけたり、
反論を試みたりすることもあります。

これは、あなたの知識を試すということもありますが、
それ以上に柔軟性や対応力を見ようという意図があります。

たとえば面接官が
「この問題についてどう考えますか?」
と難しい質問をした際、
知らないことに対しては無理に答えようとせず、
素直にわからないことを認めたり、
「その問題についてもっと学びたいと思いました。
どのような本を読めば理解が深まりますか?」
といった質問を
わざとらしくならない程度に切り返すことができれば
「学ぶ意欲がある」という印象を与えることができます。

ただし、無理に演じる必要はありません。
かえって逆効果になる恐れがありますから。

面接官が求めているのは「芯のある人間性」

医学部の面接官は、
流暢な話し方や取り繕った答えではなく、
あなたの本質的な人間性を見極めようとしています。

だからこそ、想定問答集の暗記に頼るのではなく、
自分の言葉で志望理由や意見を伝えようと
頑張ってみてください。

面接は緊張する場面ではありますが、
自分の思いや考えを正直に伝えることが一番の近道です。

自分の核となる部分をしっかりと見せられるよう、
日頃から自分の志望理由や価値観を
しっかりと深掘りしておきましょう。

実はこれが一番の面接対策なのです。

にほんブログ村 受験ブログ 医学部・医療系受験へ

上部へスクロール